胃がんは、正常な胃粘膜の細胞が何らかの原因でがん細胞へと変化して増殖していく病気です。がんは表面の粘膜から発生し、増殖するとどんどん深い部位まで進んでいきます。粘膜、粘膜下層までのがんは早期がんといわれ、多くが手術で治りますが、がんが筋層・漿膜まで達する進行がんは、胃の周囲や他臓器に転移している可能性が高くなり、早期がんに比べて治る可能性が低くなります。
がん発生のメカニズムは、胃がんに限らず明確に解明されていない部分も多いですが発生リスクの高くなる生活習慣などはわかっています。ピロリ菌も主原因のひとつといわれています。
診断のためには内視鏡検査の他に、他の臓器にがんが転移していないかをみるためにCT検査を行います。
がんが胃粘膜にとどまっていて、リンパ節にも転移していないような早期の胃がんなら、内視鏡でのがんの病変部と周囲の組織を取り除く治療が可能です。
内視鏡治療は、お腹に傷を付けずに行えますので、短期間の入院ですみます。
リンパ節への転移がみられたり、粘膜下層よりも深く進んだがんは、外科手術を行い、胃を一部あるいは全部を切除します。同時にリンパ節、場合によっては転移している周辺の臓器の切除も行われます。また、進行の程度によって手術後に抗がん剤などが使用されることもあり、進行して手術が難しい場合や再発した場合などは抗がん剤治療などを行うことになります。
再発の可能性はがんの進行程度でかわってきます。手術後は2~3カ月に1回、定期的に検診を受けるようにしましょう。
監修
2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の診療を行ってきた。自身は二児の母。育児中は医療行政に関わり、国立保健医療科学院や結核研究所で感染症対策などを含めた公衆衛生分野の研鑽に励んだ。
まとめ
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