最近「胃もたれ」増えてない?
胃もたれの症状のチェックと原因・改善のヒント

胃もたれはどうして起こるのか、どんな対策が必要なのか、わかりやすく紹介します。

この記事の監修医師
正恵会 上田胃腸クリニック 院長
上田 治(うえだ・おさむ)先生

「これって胃もたれ…?」こんな症状に注意!

胃もたれとは、「胃が重い」「胃がムカムカする」といった不快な症状があらわれることを指し、食べたものが胃で消化されず、停滞することで発生します。

胃もたれが起こるタイミングは人それぞれですが、起床時や食後、または食後3~4時間に生じることが多い傾向があります。まずは、あなたの胃の状態をチェックしてみましょう。

胃もたれチェックリスト

1つでもチェックがついた場合は、胃もたれの可能性が。もう少し胃をいたわる生活習慣を心がけましょう。
このような胃もたれは、なぜ起こるのでしょうか?

胃もたれの原因は主に3つ

胃もたれは主に「生活習慣」、「加齢」、「胃関連の病気」によって引き起こされます。

生活習慣
生活習慣
加齢
加齢
胃関連の病気
胃関連の病気

生活習慣

食生活の乱れ

食べすぎや油っぽい食べ物中心の食事、不規則な時間の飲食、よく噛まないで食べる…などの食習慣を続けていると、流入する食べ物が胃の消化能力を超えてしまい、胃の中に食べ物が停滞する原因になります。

ライフスタイルの乱れ

睡眠不足や運動不足、多忙でストレスフルな生活を続けていると、自律神経が乱れることから胃の働きが弱まり、胃もたれが起こりやすくなります。

加齢

内臓機能の衰え

年齢を重ねると、どんなに健康な方でもあらゆる臓器、器官の機能が低下します。胃では内側の粘膜を保護する胃粘液(バリア)が分泌されていますが、加齢とともにその分泌量は減少します。

胃粘液の減少

ホルモンバランスの変化(妊娠、更年期など)

女性の場合、妊娠や更年期にともなうホルモンバランスの変化も自律神経に影響します。自律神経が乱れると胃の働きが弱まり、胃もたれが起こりやすくなります。

胃関連の病気

胃の組織に炎症などの異常が見られる「器質性疾患」や、最近増えている検査では異常が見つからないのに胃もたれなどを感じる「機能性疾患」などがあります。
*胃関連の病気の場合には、医療機関の受診をお勧めいたします。

こうしたさまざまな原因が加わると、胃の中ではどのような変化が起こるのでしょうか。

胃もたれを感じたとき、胃では何が起こっている?

胃本来の働きと、胃もたれにつながる胃のトラブルを順に見ていきましょう。

胃の働き

私たちの胃は、口から取り込んだ食べ物をまずドロドロのお粥状にしてから、胃を伸び縮みさせて(ぜん動運動)、十二指腸へと送る働きをしています。

胃内側の粘膜から分泌される胃液のうち、胃もたれに関わるのは、主に胃酸・胃粘液の2種類です。
  • 胃酸…非常に強力な酸で食べ物を消化・殺菌します。
  • 胃粘液…胃酸から胃粘膜を守るバリアの役割と、胃の内容物をスムーズに送り出す潤滑液の役割を担っています。
胃粘液分泌が正常な状態

胃の内容物はスムーズに十二指腸に送られます。

胃粘液分泌が低下した状態

排出機能が低下し、胃の内容物は胃に残ってしまいます。

胃もたれ時に胃で発生している3つのトラブル

健康な胃は、胃酸と胃粘液がバランスよく分泌され機能しています。ところが、生活習慣の乱れや加齢などで胃の働きが弱まると、内部では以下のような問題が発生し、胃もたれを起こしやすくなります。

1. 消化機能の低下

食べすぎや加齢、ストレスなどによって胃の働きが低下すると、胃粘膜から分泌される胃液が減少し、食べ物をうまく消化できなくなってしまいます。

2. ぜん動運動の衰え

胃の働きが低下するとぜん動運動も弱まるため、胃に食べ物が停滞しやすくなります。

3. 胃粘膜の働きの低下

加齢やストレスなどの刺激から胃粘液(バリア)の分泌量が減少すると、胃は自身の胃酸から胃粘膜をバリアのように守ることができなくなり、ダメージを受けやすくなります。その結果、胃酸や消化酵素の分泌が減少し、消化機能が低下してしまいます。また潤滑液である胃粘液(バリア)の減少は、胃の内容物を十二指腸へ送り出す働きの低下ももたらします。

このように胃もたれには3つのトラブルが関わっていますが、「胃粘膜の機能低下および胃粘液の分泌減少」は、「消化機能」や「ぜん動運動」にも影響を与える要因といえるでしょう。

「胃もたれ」に関わる3つのトラブル

胃もたれを引き起こす「胃粘膜」「消化機能」「ぜん動運動」の3つのトラブルを防ぐには、どうしたらよいのでしょうか。

胃もたれを減らす・なくすためのヒント

大切なのは、胃もたれにつながる「胃粘膜」「消化機能」「ぜん動運動」、それぞれの働きが低下しないよう、胃を整えていくことです。そこで特に気を付けたいのが、生活習慣の見直しです。

生活習慣見直しの3つのポイント

1. 胃に負担の少ない食生活を心がける

胃に入ってくる食べ物の量や状態を整えることは、胃の消化能力を助けることにつながります。栄養バランスのよい食事を心がけ、1日3回決まった時間に、よく噛んで食べるようにしましょう。なるべく消化のよいものを食べる、暴飲暴食を避けるなども大切です。

2. 刺激物の摂りすぎや過度な飲酒、喫煙習慣を避ける

刺激物などで「胃粘膜」がダメージを受けると、「消化機能」「ぜん動運動」の働きまで影響してしまいます。味付けを薄くする、禁酒や禁煙するなどして、できるだけ胃への刺激を避けましょう。

3. 体や心にゆとりのある生活を心がける

不規則な生活やストレスは自律神経の乱れを招き、「胃粘膜の働き」「ぜん動運動」「消化機能」すべてを低下させることになります。日頃から適度に体を動かし、疲れたら十分な休息を取りましょう。趣味を楽しむ、親しい人と話す…など自分らしいストレス解消法を持つのもおすすめです。

いずれも毎日ちょっと意識するだけで、改善できるのではないでしょうか。できるところから、ぜひ始めてみてください。

胃もたれをできるだけ早く緩和したい方へ

胃もたれをできるだけ早く緩和したい方へ

生活習慣の見直しを取り入れつつも、「できるだけ早く胃もたれを緩和したい」という方は、病院で医師から処方されるお薬や、市販の胃薬を服用することで胃の状態を整えることができます。

処方薬や市販薬を服用する場合、「胃もたれにつながる3つのトラブル」をできるだけ効果的に抑えることがポイントです。このような成分に注目して選んでみてくださいね。

胃もたれにつながる3つのトラブルを抑える成分
  • 消化機能を助ける成分
  • 胃のぜん動運動を調節する成分
  • 胃をベールのように守る胃粘液(バリア)の分泌を増やす成分

特に胃粘液(バリア)の減少につながる胃粘膜のダメージを、生活習慣の見直しで抑えることは可能ですが、加齢にともない消化機能が低下したり、委縮した胃粘膜では胃粘液の分泌を増やすことはできません。加齢で増える胃もたれ症状には、この3つのアプローチすべてで胃を整える胃薬がおすすめです。

胃本来の働きを取り戻すためにも、胃薬を上手に選んで正しく役立てましょう。

この記事の監修者情報

正恵会 上田胃腸クリニック 院長
上田 治先生 (うえだ・おさむ)

専門分野・資格

  • 内科全般、胃内視鏡、大腸内視鏡
  • 日本消化器内視鏡学会認定医・専門医・指導医

経歴

  • 1975年 昭和大学医学部卒業、虎の門病院内科レジデント
  • 1980年 虎の門病院非常勤、平塚胃腸病院内科勤務
  • 1991年 上田胃腸クリニック開業