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胃の働きに影響を与える要因
胃の中は強い酸性に保たれているので、胃の中に生物は住めないと長年考えられていました。ところが、1980年代に胃粘膜の中に生息する「ヘリコバクター・ピロリ菌」の存在が明らかになり、この菌によって胃炎・胃潰瘍などが引き起こされることがわかってきました。我が国ではおよそ6000万人がピロリ菌に感染しているといわれています。
芋虫のようならせん状の菌で、プロペラのようなひげ(べん毛)が生えています。ピロリ菌は、このべん毛を使って胃粘膜に進入し、潜伏しています。そして胃を守る粘液層がピロリ菌の住家になります。
ピロリ菌は細胞に対する毒素を出すだけでなく、ウレアーゼという酵素を持っていて、その酵素が尿素を分解してアンモニアを作ります。そのアンモニアが直接胃壁を傷める原因ともなります。なぜ、強酸性の胃の中で生きることができるかというと、アンモニアで菌の周りの酸性を弱め、自分の周りを中性化しているからです。
ピロリ菌は、子供の頃の免疫が不十分なときに経口的に感染します。
上下水道が整備されていない国や地域では感染率が高く、先進国では日本だけが特別に高い感染率を示しています。その感染率は50歳以上では70〜80%ととても高く、これは子供の時に井戸水を飲用していたためと考えられています。一方、10〜20代では15〜25%と他の先進国の若年者感染率と同程度です。
2000年11月から、消化性潰瘍に対する除菌治療が健康保険適用になりました。
健康保険で認められている除菌法は、殺菌作用のある抗生剤を二種類と胃酸を抑えるプロトンポンプ阻害剤(PPI)の3剤を1週間服用します。除菌療法後1 カ月以上経過してから、除菌判定試験を行います。除菌不成功の場合は、再除菌を実施します。健康保険では再除菌は1回のみ認められています。

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