近年日本人の食生活が変化し、脂質分の多い食事が増えていると聞いたことがあるかもしれません。
食事によって栄養源を摂取し体内でエネルギーに転換している人間にとって、蛋白質・糖質・脂質の三大栄養素のうち最も大きなエネルギーの基になるのは脂質と云われています。では、脂質の多い食生活へと変わることで胃にはどのような影響が生まれるのでしょうか。
胃は、栄養素等を腸で吸収されやすくするため、食物をお粥のようにドロドロにする役割を担っています。通常、食後2~4時間かけて消化し、少しずつ腸へ送り出しています。ほとんど時間がかからず胃内を通過するのは水分です。食材や調理法によっても異なりますが野菜類よりも、肉類は胃の中に滞在する時間が長くなります。
胃内で分泌されている胃液中には、蛋白質を分解するペプシンや強酸性の胃酸などが含まれています。しかし、脂肪を消化する酵素は胃の先の十二指腸にあるため胃の中ではほどんど消化されずに十二指腸に送られます。
脂肪が十二指腸に送られると分泌されるホルモンは胃の動きを抑える働きがあるため、脂肪が多い食事を摂ると胃もたれなどの症状が現れるようになるのです。
「最近、食べたくても量を食べられない」「食べると胃がもたれやすい」「食後に胃にドカンと残った感がある」など、年齢とともに変化に気付く方も多くいらっしゃいます。
監修
2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の診療を行ってきた。自身は二児の母。育児中は医療行政に関わり、国立保健医療科学院や結核研究所で感染症対策などを含めた公衆衛生分野の研鑽に励んだ。
まとめ
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