【医師監修】胃や腸の健康状態が一目で分かる方法【胃の不調を防ぐワンポイントアドバイス】

  • 胃のメカニズム

胃と暮らしのワンポイントアドバイス

胃や腸の健康状態を知る方法

人間の身体はいろいろな刺激から身を守るための構造を備えています。例えば皮膚の場合は、皮膚の表面に角質層という死んだ皮膚細胞の層が、まるでレンガを積み重ねたように強固な防御層を作っています。この防御層がないと、皮膚の水分の蒸散が早まったり、各種刺激を受けやすくなったりします。

 

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身体の内側はどうでしょうか。人間の身体の内側にありながら、外的刺激を受けている臓器こそ、消化器官(口腔、食道、胃、腸)なのです。
消化器官に刺激を与えるものの一つに、食物と一緒に摂取される菌があげられます。通常胃に入ってきた菌は、胃酸の分泌によって殺菌されたり、場合によっては嘔吐中枢が刺激されて体外に排出されます。また、身近なところでは食事そのものが刺激になる場合もあります。例えば、アルコールや炭酸飲料、香辛料です。

胃は、胃粘液が胃の表面をバリアーのように被い、食物の刺激や食物を消化するのに必要な胃酸の刺激から胃自体を守っています。

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しかし、胃の状態が悪いとバリアー層の力が弱まって刺激を受けやすくなり、胃痛や胃もたれなどの不快症状を感じるようになります。また、各種の刺激は、食べた物を消化する働きにも影響を与えます。夏場、水っぽいものの摂取が増えると、おなかがくだったりすることがありますよね。また、香辛料の強い食事でおなかの調子が悪くなったことがありませんか。こんな症状の時は、胃腸が刺激を受けているわけです。胃の中の出来事を直接みることが出来ませんが、例えば排泄される便をみることで身体の中のことが少しわかります。脂肪分の多い食事が続くと、黒っぽい便になります。胃などで出血がある場合も、やはり黒っぽい便になります。黒っぽい便が出た時には、数日間の食生活を思い返したり、胃腸の痛みなどがなかったかどうか振り返ってみましょう。食事のバランスがとれていて、胃腸の調子も良い場合には、「柔らかくバナナの形状、悪臭がなく明るい黄色っぽい便」といわれています。便は、食生活と消化器の様子(健康状態)をあらわすバロメーターとも言える存在。毎日の食生活、胃腸の健康について見直すよい機会と考えてみてはいかがでしょう。

監修

木村 裕之 先生Dr_Kimura

  • 医療法人社団ファーストムーブメント
    木村メディカルクリニック 理事長・院長
    内科・胃腸科・消化器科・循環器内科・呼吸器内科・神経内科・アレルギー科

経歴:
1988年3月 慶應義塾大学医学部卒業
1988年6月 医師国家試験合格 慶應義塾大学医学部内科
1990年6月 慶應義塾大学伊勢慶應病院内科
1992年6月 慶應義塾大学医学部消化器内科
1993年8月 慶應義塾大学医学部救急部
1999年1月 慶應義塾大学医学部救急部医局長
2002年1月 慶應義塾大学医学部救急部医長
2003年10月 慶應義塾大学医学部消化器内科
2004年11月 木村メディカルクリニック開設
2007年11月 医療法人社団ファーストムーブメント設立

まとめ

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